経営改善の専門家が解決します! ~会社のお困りごと相談室~

経営改善の専門家が解決します!

~会社のお困りごと相談室~

(第22話)

経営改善の専門家が今まで受けてきた300社以上の経営相談を基に、多くの会社で起こり得る問題とその対応策について、具体的なエピソードを交えて解り易くお伝えします。

 ◆本日のご相談◆  

社員には、会社を取り巻く厳しい現状を理解してもらい、技術力を高めたり、新たな技術を身に着けるための努力をしてもらいと思っています。しかし、社員はこれまで通りの仕事をしていればいいと思っているようです。厳しい状況からほっと一息付けたのも束の間、このままでは競合他社に顧客を奪われ、再び経営危機を迎えるとも限りません。

どうしたら社員に現状を認識してもらい、個々のやる気を起こして業績に結び付けることができるでしょうか。

 【ご相談の会社について】

基本データ

(業種業態)金属加工業

(売上高)2億円

(収益状況)営業黒字(700万円)

(従業員人数)13名(パート2名)

(借入金総額)0.4億円

会社の現状

リーマンショックの際に、価格競争に陥り、売上が大きく落ち込んだ。会社存続の危機に直面したが、職人出身の社長のもと、技術力の高さを前面にアピールして危機を乗り切り業績は回復途上にある。競合他社も切磋琢磨している中、技術力のさらなる向上と短納期化を図ろうとしている。

【ヒアリング内容】

・社長が社員と話すのは、現場で業務の話を行う時のみ。話の延長線上で、会社のことや会社を取り巻く現状に触れることがある程度。

・社長はいつでも会社のことを考えているが、考えや計画を書き起こしたり、誰かに話すことはほとんどない。

・誰にどのように成長してほしいかの具体的計画はない。

・社長は社員の考えや悩みを聞きたいと思っているが、社員は話しかけてこない。また、そのような場も積極的に設けていない。

 【見えてきた課題】

ヒアリングにより、以下の問題が明らかになってきました。

(会社の目標が共有されてない)

社長が技術力の向上と加工メニューを増やしたいと思っていることは、社員も知っています。しかし、それは漠然とした認識です。「社長が望んでいること」程度で、会社としての目標、方向性という認識を社員は持っていません。また、どのようにその目標を達成するのかが不明です。

(望むべき社員像と役割が曖昧)

当社の社員として何を大切にして、どのような行動を心がけることによって会社に貢献してほしいかが明示されていません。その結果、社員の頑張りがバラバラになってしまっています。

(社員に対するフィードバックがない)

社員に対して、「今のまま頑張ってほしい」「ここを直してほしい」といったことを会社として伝える場がありません。そうなると、せっかく社員が何かに打ち込んだり努力したりしても最後はやる気をなくしてしまいます。

【課題への対応策】

前述の問題から、ご相談の会社には評価制度の構築が必要だと考えました。

人事評価制度は、その名の示す通り社員を評価するものですが、ただ単に社員をA、B、Cにランク分けしたり、「できた」「できなかった」と判断するものではありません。制度を作る過程で、会社が大切にするものや、社員が持ってほしい意欲、身に着けてほしいノウハウや技術などを具体化する必要があります。それを社員と共有することが、評価制度の役割のひとつでもあります。

お互いの認識共有を深めながら意欲と能力の向上を目指すという点で、人事評価制度は社員とのコミュニケーションツールでもあります。

1. 評価制度の概要

評価制度は、社員の意欲と能力、そして業績の3つを評価します。意欲はやる気、能力は可能性、業績は成果です。

意欲と能力は、それだけでは会社への貢献にはなりません。業績に残してこそ、会社には利益がもたらされます。ではなぜ、意欲、能力、業績の3つで社員を評価するのでしょうか。それは、社員の長期育成を図るとともに、3つの評価軸で評価を行うことにより、どのような社員もどこかで積極的な評価ができるようにするためです。

2. 評価制度の導入 

意欲、能力、業績いずれも、どのようなものを求めるかを会社は明示しなければなりません。意欲であれば漠然と「がんばろう」と思うのではなく、どのようなことに頑張ろうと思ってほしいかを社員に示します。

評価制度の導入作業は、まずはこれらの何を求めるかを突き詰めていく作業から始まります。ご相談の会社では図のような能力を求めることとなりました。

3. 評価制度の運用

まずは、評価制度の導入の意義を社員に説明します。求める意欲、能力も、印刷して社員に手渡し、いつでも確認できるようにします。そのうえで、社員1人1人と面談しながら今期の目標を設定します。その後は、半期ごとに面談を行い、その期の意欲、能力、業績の達成について一緒に確認をしていきます。もちろん、最後は5段階程度で達成度をはっきりと評価します。また、最後に次期の目標について設定も行います。

【ご相談者のその後】

社員の意識不足について頭を悩ませていましたが、徐々にですが社員のやる気が向上してきたと感じています。また、社長自身も社員への指導に迷ったり悩むことがなくなりました。ブレることなく同じ目標、基準、価値観で指導を行えるようになっています。

その結果、社員との会話も面談の時だけでなく、日常的に行えるようになりました。仕事の悩みや希望、考えていることを知ることができ、日々の組織づくり、人づくりに役立てています。

【専門家から一言】

社員に頑張ってほしい、もっと成長してほしいとは、すべての経営者が思うことです。また、同時にほとんどの社員も頑張りたい、成長したいと思っています。売上と利益の向上という目標を達成するために、会社という仕組みのなかで2者のニーズを合致させるには、評価制度は最適なツールです。

 

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