事業再生専門家が語る「転ばぬ先の杖」

~事業再生の状態に陥らないために~

事業再生専門家が語る「転ばぬ先の杖」

(第7話)

《経営管理について》

   

銀行出身の中小企業診断士である事業再生専門家の視点から、事業再生の状態に陥らないために、「転ばぬ先の杖」として知っておいていただきたいことをお伝えしていきます。

今回は、経営管理の重要性 についてお話いたします。

 

〇経営管理とは

 経営管理とは、文字どおり組織を効率的かつ効果的に運営していくために、経営活動を管理することです。生産、販売、財務、労務等の各部門別に投入計画の策定、実行、再検討を行う必要があります。ただし、個別にとらえるのではなく、企業全体をまとめて会社を正しい方向に進める、意思決定を行う仕組みとして考えるべきことがらです。

〇経営管理の手法 

 経営管理の手法として用いられるのがPDCAサイクルです。計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)のプロセスを実施し、このプロセスを繰り返していくことです。経営だけではなく、人生の計画などさまざまな局面で活用できる手法です。箱根駅伝を4連覇した青山学院大学の原監督もこの手法を取り入れています。5年で箱根駅伝出場、10年で優勝争いのできるチームにという中長期の計画のもと、短期の練習計画をたて、練習を行い、毎月の自己目標(タイム、走行距離等)を数値化し評価していました。個人別に客観的に毎月評価するので良し悪しが明確になります。このサイクルを繰り返し行う事で組織が強くなり常勝集団となる一因となったといえます。

〇PDCAサイクル   

 経営管理における管理とは、PDCAサイクルを回し、目的達成のために企業をあるべき姿に作り上げていくことです。PDCAについて説明をすると 

1 Plan=計画(これから何をするかを考える)

 目標を設定し、目標達成のために何をするべきか仮説を立て、プランニングすることです。素晴らしい戦略が策定され、明確なビジョンがあっても、具体的な数字に落とし込む必要があります。「誰が:Who」「いつ:When」「どこで:Where」「何を:What」「なぜ:Why」「どうやって:How」「いくらで:Howmach」等細かく分解して考えていきます。重要なポイントは高すぎず、低すぎず、適正な水準(努力すれば達成可能)の計画値に設定することです。計画の数値の作成にあたっては、会社内部の数値の積み重ねを基本としながら、景気動向、競合等の外部環境も含め検討するのがいいでしょう。 

2 Do=実行(計画したことを実行する)

 計画をもとに実行することです。何かを作る、販売するなどです。大事なことは、手さぐりではなく計画を常に意識して行動することです。結果が分かるように、時間を図る、数を数えるなど数字をつけます。実行を後押しするには、意思決定を行う会議体の整備や業績評価指標のインセンティブの設定も重要です。

3 Check=評価(結果が良かったか悪かったか判断する)

 計画にそって実行が出来ていたかを判断します。先ほどの実行のときの結果を見て、数字のように誰でもわかる基準があることで、検証の正確性が増します。業績や数値はなるべく早くに把握し、売上の状況や受注額を管理し、タイムリーに軌道修正を図る必要があります。業績の評価指標は売上や利益の最終結果でなく、それを分解した指標が主となります。売上が減少したのは、新規顧客数が伸びなかったのか、既存の顧客単価が減少したのか等指標を確認することで、次の対策がみえてきます。 

4 Action=改善(見直しをかけて、次の計画へ進む)

 検証結果より、課題の解決策を考え改善する事です。計画を続けるか、止めるか、改善して続けるかなどです。ここで大切なことは次のP(計画)を意識した見直しをすることです。PDCAサイクルとも呼ばれる所以であり、「P→D→C→A」と1周して終わりでなく、改善を加え更に高いレベルのサイクルを回していくことが必要です。

〇まとめ

 企業は、人材、情報、物、金を調達して運用することによって存続し、発展していきます。そのために、経営環境に適応しながら、 生産管理、販売管理、財務管理、労務管理を行っていく必要があります。経営管理体系の仕組みを整え、運用を行い、PDCAサイクルを素早く回していくことで、持続的な企業成長が可能となるのです。

 

                                                                 前田 節(まえだ とも)

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